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レビュー レビュー>エレクトロニカ

150枚目 「Syro」(2014) Aphex Twin

Syro
1.minipops 67
2.XMAS_EVET10
3.produk 29
4.4 bit 9d api+e+6
5.180db_
6.CIRCLONT6A
7.fz pseudotimestretch+e+3
8.CIRCLONT14
9.syro u473t8+e
10.PAPAT4
11.s950tx16wasr10
12.aisatsana
13.MARCHROMT30A edit 2b 96

グラミー賞

「Getedー!(獲ったどー!)」

エイフェックスツイン改めリチャード兄さんがそう言ったかは定かでありませんが、先日この『Syro』グラミー賞「年間ベストダンス/エレクトロニックアルバム賞」を受賞しました。

てか本人は席に出席しなかったみたいですね。
賞で司会の女の人が「Syro~!Aphex Twin~!」言うてるのに登場しないから「・・・・はい。」みたいになってましたよ!!

嬉しくないんですか?賞なんて糞食らえですか?
キャラじゃないからでしょうか?

ダンスアルバム部門とはいえグラミー賞てとんでもない事だと自分なんかは思うんです。
過去にはマドンナやレディーガガ、ダフトパンクも獲ってるようですし、そのメンバーと肩を並べた訳です。

いや、エイフェックスツインは元々肩を並べてる才能の持ち主ですし、音楽界ではテクノの奇才と呼ばれ数々のミュージシャンにも影響を与えている人物です。
ただ今まで一切市民権は得ておらず音楽から遠い存在の人には評価されてなかったんです。

先に挙げたお三方は名前だけならほとんどの人が知っていると思います。
多分うちのオカンでも知ってますよ。
でもエイフェックスツインうちのオカン知らないです。
知ってたとしても、お母さんリチャードさんとはあんまり付き合ってほしくないわーて言うでしょう。

それが今回グラミー賞という、はっきりと偉大な賞を手に入れた訳です。
うちのオカンが「あの子はええ子」言うのも時間の問題です。

だから今回の受賞はとても価値のある事やと思うんです。
今まで届かなかった層にも届くチャンスなんです。

それでも本人嬉しくないんでしょうか?
賞なんて糞食らえでしょうか?
キャラじゃないですかねえ?(チラ~)

そう、それ!
その笑顔を待ってたんです!

誉められ慣れてないのか笑顔は汚いですが素直なのは素敵な事です。
グラミー賞本当におめでとうございます!

SoundCloud

それはさておきサウンドクラウドのアップロード祭ご存知でしょうか?
エイフェックスツインらしき人物user48736353001(99%本人)が、大昔から作ってた未発表デモ曲を無料でUPしてるんですけど、その数が現在173曲あるんですよ!

予定では今後300か400曲近くまでUPされるらしいんですけどダウンロードするだけでも大変です!!
ありがとうー!大事に聴かせてもらいます!

レビュー・感想

で、『syro』。遡る事約5か月前。
自分なんてエイフェックスツインを知ったの1年前ですし、その頃にはとっくに全盛期終わってました。
もう新作なんて出る事ないと思ってました。
それが!まさかの!13年ぶり新作!
震えましたよ。

購入日は凄く喜びながら帰宅した事を今でも覚えています。
そしてドキドキしながら聴いた感想。

 

「思ったより普通・・・」

 

え?

ええ?

もっと思わず息を呑むような美しい音の洪水じゃないの?

聴いたらしばらく放心状態になって何も手につかなくなるやつじゃないの?

普通にパン食べながら聴けたけど?

・・・・・・・・・・・・・・

 

いや「思ったより普通」て言っても全然「普通」じゃないんです。
Aphex Twin初めてなら相当「変」です。
ただ過去曲を聴いた事ある人なら新作は「ぶっ飛んだ革新的なAphex Twin」を期待してた人も多いと思うんです。

でもその頭で聴くと、現実はもの凄く落ち着いてますし、そこにいるのは過去のAphex Twinまんまです。
未発表音源集です。
特にびっくりする展開や音作りはありませんでした。

2周程聴き終えて「あれ?今回微妙じゃね?」と思ったのも本音です。

しかし!
これがAphex Twin音楽の不思議な所ですが徐々に病みつきになってくるんですよ。
4周目で「ん?いいかも」5周目に「もっとちょうだい」6周目に「らめえええええ!」と発狂してるんです。

どうなってんねんというような狂ったビートの曲も、静かな曲も、根底が全て気持ちいいんだと思います。
そう考えると『Come to Daddy』も『Richard D James』もそうでした。
びっくりするような展開がない曲でも気持ちよかったんです。

言ってしまえば20年近く前の作品時から、すでにパーフェクトなオリジナリティが確立されており、今聴いても尚時代に左右されない物が創られていたんだなと分かります。
何回か聴くと今回のアルバムもやはり良い作品で、むしろ全体的クオリティは過去作品と比べても高く、聴き始めると飛ばす事なく最後まで聴いてしまいます。

ただマイナス面を一つだけ挙げるなら『4』や『Film』『Fingerbib』みたいな、聴いた瞬間召される一撃必殺曲が少ないんじゃないかなとは思いました。
これらの曲は聴いた瞬間の音(音作り)で持っていかれるんですが、今回は聴いていると徐々に気持ちいいという感じです。
もしかしたら最初に感じた違和感はそのせいかもしれません。

最後に一つ超個人的な感覚の共有を。
本編最後の曲『aisatsana』ですが、これは聴いた瞬間からたまんなかったです。
この曲だけ異質で、ピアノのみですし音数もほとんどありません。

「♪♪♪・・・・・・・・・・・・・・・・♪♪♪・・・・・」てな感じです。
新喜劇出身の方なら途中で「・・・なんもないんかい!」てコケると思うんですが、これコケずに待って下さい。
そうすると気ぃ狂いそうなくらい心もってかれます。

なぜこんな少ない音で狂いそうになるのか分かりません。
アンビエントぽいのかクラシックぽいのか。
ショパンの曲で「ノクターン第2番 変ホ長調」て曲あるんですが、それも同じように狂いそうになるんですよ。
誰か共感してくれる方いないでしょうか?

しかしアルバムに入れる曲てどういった基準なんでしょうね。
まだ全部聴いた訳ではないですが、サウンドクラウドのデモの方にも相当良い曲があるんですが、それが落選した理由とか知りたいです。

 

自分との相性
★★★★★★★★☆☆ 80
エレクトロニカ初心者へのおすすめ度
★★★★★★★☆☆☆ 70

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